3/12/2015

発表会~感激の再会,受験生の指導を終えて,東日本大震災から4年が経過した今日

 「先生、ブログまだ書かないんですか?」
 もう数ヶ月前から何人かの生徒さんからそのようなことを言われていましたが、「あ、そうだよね-!」と私はいつもそれだけ答えていた気がします。
 ただでさえ頻繁に更新をしない私ですがちょっと近況報告する気分でなかったこともあり、考えれば5ヶ月ぶりにパソコンに向かっているところです。
 この時期、年度末の3月ですし、いろいろ区切りがついたことがあったり、また東日本大震災から4年が経ち、やりたくても出来なかった心残りなことがあったり、皆さんにご紹介したい方がいたり、その様な気持ちでようやくブログを書き始めています。
 久しぶりですのでちょっと長い文章になりますが、読んでいただけると幸いです。


発表会

   つい先日の8日の日曜日、光が丘駅すぐ近くにあるIMAホールでピアノ発表会を行いました。10ヶ月以上前に会場が決まり、生徒さん達と日程の確認をしてからこの日まで、思えばいろいろなことがありましたが無事に終えることができました。
  感想といえば、今回出場した私の生徒さん一人一人が、レッスンでの私との約束を見事に果たしてくれて、嬉しいかぎりでした。
  今回、音楽校の受験生は別として、普通校の中学~大学の受験生が4人いて、そのうち3人は受験準備のお休み中で発表会に出られませんでしたが、高校受験の生徒さんの中で1人、受験勉強をしながら発表会にも出場した子がいました。発表会の数日前に高校が決まったと知らせをもらったのですが、先ずはその生徒さん(記子ちゃん)の頑張りに私が力をもらいました。彼女の本番での演奏を舞台袖で見守りながら、出来も良かったので涙が止まらず・・・でした。
 本番1週間前にスタジオで行ったリハーサルでは、完成度は高いはずなのに正直、個人の実力が発揮できていない生徒さんがわりと多く、技術より気持ちの問題だと痛感したので、そういう生徒さんには発表会までの気持ちの持っていき方を繰り返し話し伝えるようにしました。私自身、20代になってもかなり本番に弱い時もあったので、緊張する生徒さんの気持ちはよく分かっているつもりで、自分のことを思い出しながら生徒さん個人に合った克服法をなんとか考え、リハーサル以降個別に話してきました。
  ただ、それもどこかへ行ってしまうほど真っ白の状態になれば私のできることはもう無いわけですが、今回は皆見事に「自分に勝った」という演奏だったと思います。聞きにきて下さった方々からも良い評価をいただき、私としては大変満足できる会を終えることができました。
  とても落ち着いて演奏ができた生徒さんの演奏をこのブログにアップロードしましたので聞いてみてください!(フォーレ作曲 シシリエンヌ)

  それからこの日、大変嬉しい再会がありました。娘が小学校に入学した1年の時に担任を受け持っていただき、学年主任をされていた藤井貴恵子先生が娘の演奏を聞きにいらして下さったのです。
  昨年4月から他の小学校にお勤めされていましたので、その後は学校行事にいらしていて一度お会いする事はありましたが、それ以来の久々の感激の再会ができました。
  藤井先生は私が尊敬している教員の方です。娘が入学当初から藤井先生が大好きで、毎日楽しく登校していましたが、「藤井先生のクラスは必ず落ち着きまとまる」と保護者の中でも格別に評判の良い先生でした。親の私から見て何が素晴らしいかというと、感情的に叱る事が無く、子供達にしっかり愛情を感じさせる事ができる事、それと子供のちょっとした変化にすぐに気付いて報告をして下さったりする気配りなどです。そしてお会いするとホッとします。藤井先生にはついつい私も甘えていろいろご相談にのっていただきましたが、この日、娘の1年生の時のクラスのお友達やお母さん達も何人かいらしていましたので、ちょっとした同窓会のような雰囲気にもなり、本当に素敵な一日になりました。藤井先生には今後も娘の成長を見ていただけたら幸いです。

  生徒さんとご家族の方々、ご来場くださいました皆様、また会場決定当初から大変お世話になりました、サクライ楽器の高橋克一さんをはじめスタッフの方々、応援してくれた友人達に心から感謝をしております。ありがとうございました。
                

受験生の指導を終えて 
   今年度は音高1名、音大(教育学部の音楽課程を含む)3名の受験生の指導を受け持っており、こちらも先週をもって終了致しました。2名が第一志望、2名が第二志望に合格、入学が決まりました。
  昨年は、私の事情でお教えできなくなった生徒さんもいたのですが、既にお引き受けしていた受験生は当然私が指導をするということで進めてきましたが、大学の浪人はしないという揃っての条件の中で、何とかクリアできたことにほっとしているところです。
  受験生達は、時には私に叱られながら(怒鳴ってはいません! 笑)よくついてきてくれました。
  ちなみに私が卒業した音大の後輩が、この4月から1名増えるのも大きな喜びです。

  今年度の受験生と、ご家族の方々、本当にお疲れさまでした!!


東日本大震災から4年が経った今日
  ちょうど4年前、発表会の翌週だったのでレッスンを休みにしており、家で覚えものをしていた午後3時少し前、関東のどこかが震源地?と思ったほどの強い揺れを感じましたが、電車で音楽教室に行っていればこの日は帰れなかったであろうという中、とりあえず家で過ごせたことを覚えています。しかし長い時間停電の状態で、その後もその時住んでいた富士見市は計画停電の地域に入っており、毎日停電の時間帯があったり、2週間ぐらい電車は最寄駅の4駅前までしか通っておらず、その駅までの車の道は大渋滞、そしてスーパーからは物が無くなったり、車でガソリンを入れにいけば1時間以上待つという異常事態でしたが、東北の被災地、まして原発周辺に住んでいたり、津波被害に遭われた方々の大変さは、計り知れないものであったことと思います。
  知り合いの中にも被災された人が何人かおりました。原発の近隣に住んでおり、親戚のいる埼玉に移り住んで保育士をやっていた方、岩手に住んでいた父親が津波で・・・など。。。

  1年~3年、また5年目というと何かとメディアも大きく取り上げ、状況や情報の発信があったりするのですが、4年というとちょうど風化されそうな感じがしているのは多くの人が同じなのではないでしょうか。
 簡単なことではないと思いますが、復興が少しでも早く進むことを願っています。

  そんな中、以前所属していた音楽事務所の先輩達と「震災復興チャリティーコンサート」を東京ではなく東北3県で3月11日前後に行う話が昨年の秋に出て、計画を立て始め私もメンバーに入っていました。
  でも、その秋の決定の時には予定してなかった私事の一大事が、当初思っていた予定より大分遅い3月に入ることがわかった今年の1月、已む無く辞退をさせていただきました。被災地の方を思えば迷わず参加という気持ちではありますが、器用ではないので、バタバタとした今現在は人を元気にする演奏はできないと思うことと、時間的にも無理があるという理由でその様に決めました。
  何があっても動じない「本物の演奏家」にいつしかならなければと思ったりしているところです。

  ここで、東日本大震災に深く関わり、東北で素晴らしい活動をされている方をご紹介させていただきたいと思います。
  現在、都内の法律事務所で弁護士をされている瀧上明(たきうえあきら)先生です。
  弁護士になった翌年から4年間、岩手県の法律事務所で仕事をされ、東京に移住した直後に東日本大震災が発生し、慣れ親しんだ岩手県沿岸、ご自身が勤務していた事務所も大きな被害を受けた事を知り、再度岩手に戻る決意をした為東京の事務所を在籍3ヶ月で退所し、2011年7月、岩手県釜石市に自費を持って事務所を開設されました。
  その後被災地で震災関連の多くの事件を受任したり、仮設住宅巡回相談、仮設住宅アンケートなどの調査活動他、数多くの復興支援活動に携わり、被災地で3年の活動を経て活動が一区切りついたところで2014年9月より、東京の事務所に再度勤務されています。
  現在も月に数回岩手に行っているとおっしゃっていますが、私はご本人からこの話を聞く前にこの様なプロフィールを読み、「え-?世の中こういう人いるんだ-!」と驚きつつ、ご本人に確認したのが先月のことでした。
  私が瀧上先生に初めてお会いしたのは昨年の12月のことで、その時は全くこの様な活動をされている事は知らずにいましたが、お会いした最初の頃の印象といえば、非常に冷静で、優しそうではあるけれどこちらが下手なことを絶対に言えないという緊張感があったのを覚えています(笑)
 
  新聞にも活動についていろいろと取りあげられた様です。下記は瀧上先生の活動を紹介する記事の一部です。

 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/tohokujisin/list/CK2012030502100007.html
 
http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/feature/CO005876/20140308-OYT8T01136.html 


http://www.iwate-np.co.jp/311shinsai/mirai/mirai130319.html


   今回のブログで、ご本人の了承を得て今私が尊敬している方をお二人ご紹介させていただきましたが、他にも支えて下さったり協力して下さる方々に感謝をしつつ、下ばかりでなく空を見ながら歩ける日がまた必ず来ることを信じて、「今私に出来ること」を一つずつやっていこうと思っているところです。

 皆さんも素敵な春をお過ごし下さい!