11/15/2025

ピアノ伴奏の秘訣・・・合唱コンクールで最優秀伴奏者賞を!!

  例年よりもインフルエンザが数か月も早く大流行し、大学の総合型(旧AO入試)や公募推薦などで受験する高3の子たちは、体調管理に限りなく神経を使わなくてはならず、本当に大変な時期になっております。中学や高校、大学の一般受験の頃には逆にインフルの流行は落ち着いているかもしれませんね。

 しばらく投稿をしておらず、気が付けば今年もあと1か月半…。月日の経過は大本当に早いものですね。

 さてそんな受験シーズンのさなかですが、合唱コンクールの伴奏をすることになったという生徒さんが数人います。以前から伴奏について、私の生徒さんに限らずいろいろな方に発信したいと思っていたのでこの機会に『ピアノ伴奏の秘訣』について少々書いてみようと思います。

 まず、ピアノ伴奏(声楽、弦楽器、管楽器、合唱etc.)をするにあたり、素人だからと言っても絶対にできなければならない事があります。

1.絶対に止まったり弾きなおしをしない

2.勝手にテンポをくずさない(変えない)

ソロで演奏する場合も、発表会はそれほどではないとしても、コンクールやオーディション出場のレベルになると、途中で止まったり弾きなおしをしないことはクリアするものですが、この場合、万が一”やらかしてしまう”ということがあっても自己責任で済むといえば済みます。ただ誰かの伴奏をするとなると、「止まる」「弾きなおし」「テンポをくずす」は100%やってはいけないので、それができるようになるまで練習することが出来ない場合は、そもそも伴奏は引き受けないほうがいいです。

 そして、次の段階になると、歌の歌詞も覚えて演奏者と呼吸を合わせるとか、ブレス(息継ぎ)を演奏者と一緒にする、音量を揃えていく(歌の邪魔にならない音量だけれど歌がなくピアノだけのところはしっかりアピールする…ということをやっていくわけですが、それ以外に皆さんがあまり意識していないけれどもどうしても実践してもらいたい大事なことをお伝えしたいと思います。今回は歌の伴奏、合唱の伴奏の説明をします。

 例えば、私の息子の高校の合唱祭で息子のクラスが披露した「栄光の架け橋」の歌詞を例に挙げると、冒頭の歌詞は「誰にも見せない 泪があった~」ですが、歌の伴奏の際には子音ではなく母音で合わせる!ことが非常に大切です。冒頭の部分をローマ字で書くと「darenimo misenai  namida ga atta~」となりますが、出だしの「dare」の部分で説明すると、「d」ではなく「a」、「r」ではなく「e」、すなわち”母音”に合わせてピアノを弾いていくのが重要なポイントです。といっても全ての歌詞(単語)を母音で合わせるのはプロでも至難の業ですから、フレーズの最初の部分(ブレス後の次の出だしの言葉)だけでも歌詞の母音の部分に合わせてあげられるように練習できると、素晴らしい伴奏になるのです。子音に合わせる感じだと、歌い手にとってはややピアノが先に入ってくるように聴こえて歌いにくい上、それが聴き手にとっては息が合っていないようにも聴こえてしまう…のです。

 弦楽器や管楽器の伴奏の場合は、この「母音」にあたるのは、音が完全に鳴ったところになります。特に管楽器は、息から音になるところをしっかり聴き、鳴った瞬間に合わせていくのです。

 歌の伴奏の話に戻りますが、「誰にも見せない」の「da」、「泪があった」の「na」、「人知れず流した」の「hi」、「泪があった」の「na」、この単語の子音ではなく母音に合わせて弾いて下さい!

 慣れてきたら、フレーズの最初だけではなく、最初と最後の単語を母音に合わせるようにしていって下さい(先ずは最初だけでも充分です)。

 最初だけでも母音に合わせて弾くことができれば、伴奏者賞や最優秀伴奏者賞は間違いなしです!!!

 こと投稿を熟読し、伴奏の難しさを乗り越えて楽しさを知り、賞を狙ってみて下さい。